お釈迦さまの世界へようこそ

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私たちの苦は、どこから生じるのだろう

諸行無常   諸法無我   一切皆苦   涅槃寂静
      四法印 しほういん 〈法印〉とは,法の要約との意.すなわち,仏教教理の特徴をあらわしているしるしのこと.
        四法印とは,
          あらゆる現象は変化してやまない             (諸行無常(しよぎようむじよう))
          いかなる存在も不変の本質を有しない          (諸法無我(しよほうむが))
          迷いの生存におけるすべては_苦である         (一切皆苦(いつさいかいく))
          迷妄の消えた_悟りの境地は静やかな安らぎである   (涅槃寂静(ねはんじやくじよう))をいう.
       ここから一切皆苦を省き,三法印とされることもある.また今日,スリランカ,ビルマ,タイなどの諸国で行われて
       いる南方上座部仏教では,ここから涅槃寂静を省き,三つの特相というまとめ方が用いられている.
                                                   岩波仏教辞典

一切皆苦の〈苦〉です。
  苦はどこから生じるのでしょう…
  苦の本質については、原始仏典に「人間はどこにあっても、いかなるものによっても、苦しみから脱することは出来ない。
   何人も老い、且つ死なねばならぬ」「人々がいろいろと念願しても、結果は意図とは異なったものとなる。期待に背くこと
    このとおりであり、世のありさまを見よ」
     私は欲望を持って生きている、「人々は欲望にもとづいて生存の快楽にとらわれている」
    
      四苦八苦も苦です。
       四苦八苦 しくはっく
         苦しみを四つあるいは八つに分類したものの併称で,原始経典以来説かれる.四苦とは
            生(しよう)(生れること)・老・病・死で,
            これに怨憎会(おんぞうえ)苦 (憎い者と会う苦)・
            愛別離(あいべつり)苦     (愛する者と別れる苦)・
            求不得(ぐふとく)苦       (不老や不死を求めても得られない苦,あるいは物質的な欲望が
                               満たされない苦)・
            五取蘊(ごしゆうん)苦(五盛陰(ごじようおん)苦・五陰盛(ごおんじよう)苦とも.
                              現実を構成する五つの要素,すなわち迷いの世界として存在する
                              一切は苦であるということ)
          を加えて八苦となる.
        後世になると四苦八苦は,人間界のすべての苦ということから,この上ない苦しみ,言語に絶する苦を意味
        するようにもなった.なお四苦八苦の解説は,六道苦を説いて離苦得脱を勧める六道釈で特に重視され,
        往生要集を起点として,特に浄土門の唱導において敷衍(ふえん)され練り上げられてきた.
        宝物集の六道釈中の四苦八苦論はその一つの到達点で,そこでは多数の証話・証歌を駆使して講釈自体が
        一個の文学にまで高められている.
                                                         岩波仏教辞典

原始仏教では、盲目的欲望が人を動かしていると見ています。
 欲望が文明を育て、快適な生活を得ることが出来ました。これからも益々進歩発展することでしょう。
  「欲望と嫌悪とは愛執から起こり、自身から現れる」
   苦の元は自分である。しかし、それを他人のせいにする。
    思い通りにならないのは、世間が悪い、あいつが悪い、と自分が正しいのです。
     苦は、私自身の中にあり、私の中から沸き起こるのです。

    聖徳太子の十七条憲法の十条に
    十、忿怒の心を絶ち、瞋恚を棄てて、人と意見のの違うことを怒るな。人はみな心があり、心はそれぞれ執着がある。
    ある人が是認すれば自分は否認する、自分が是認すれば他人が否認する。自分は聖人ではないし、他人は愚者で
    はない。ともに(欠点の多い)凡夫にすぎないのである。善悪の理屈は誰がよく定めることができよう。お互いに賢く愚
    かであることは、鐶(金属製の輪)の端が無いようなものである。だから他人が瞋るといっても、かえって自分の過ちを
    恐れなさい。自分ひとり会得していると思っても、衆議に従って同調して行いなさい。  
                                          浄土真宗やっとかめ通信(東海教区仏教青年連盟)

すべて受け入れ、世の中を欲望のまま見るのではなく、お釈迦さまのフィルターを通すと、何が見えるかを考えてみましょう。
人は、真実を受け入れがたい生き物です。

                                  原始仏教 その思想と生活 中村元 NHKブックスより参照

 
  勝林寺